検査項目別
問診
健診における問診は
①生活習慣病の状態やリスクを把握することにより、生活習慣への適切な介入を行うこと
②心身の異常徴候を発見し、早期の診断・治療につなげること
を目的とし、厚生労働省が定める標準的な質問票に基づいて行います。また、基本情報としての「既往歴」、「現病歴」、「家族歴」は特に重要で、健診受診時には標準的な質問票と併せてこれらの項目についてもおたずねします。
身体測定
計測項目としては、身長、体重、BMI、腹囲、血圧、心拍数、視力、聴力、呼吸機能検査を行います。
血液検査
血液に含まれている細胞などを数値化して、病気のリスクを見つける検査です。
- 血液検査一般
赤血球数(RBC)、白血球数(WBC)、血小板数(plt.)、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Ht)、MCV・MCH・MCHC、血液型ABO(初回のみ) - 栄養状態
総蛋白、アルブミン(Alb) - 肝臓,胆道系,膵臓
血清ビリルビン(Bil)、GOT、GPT、アルカリフォスファターゼ(ALP)、乳酸脱水素酵素(LDH)、γ-GTP、コレインエステラーゼ(ChE)、アミラーゼ(AMY) - 脂質系
総コレステロール(T-cho)、中性脂肪(TG)、HDL-cho、LDL-cho(またはnon HDL-cho) - 腎臓系
尿酸(UA)、尿素窒素(BUN)、クレアチニン、eGFR - 電解質
ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クロール(Cl)、カルシウム(Ca) - 糖尿病
空腹時血糖(BS)、HbA1c - 炎症反応
CRP
尿検査
尿中に含まれている蛋白や血液、糖などを調べ、病気のリスクを見つける検査です。
(尿蛋白定性、尿潜血、尿糖定性、尿ウロビリノーゲン、尿比重、尿PH、尿沈渣)
胸部X線(レントゲン)検査
胸部にX線を照射し、肺や心臓、大動脈に異常な影がないかを調べる検査です。
※妊娠中や妊娠の可能性がある人は受けられません。
心電図検査
四肢と胸部に電極を付け、心臓の収縮により発せられる電気刺激を波形として記録する検査です。不整脈や心筋障害の有無を調べることができます。また、同時に心拍数の測定も行います。
医師診察
視診、頚部触診、胸部聴診、腹部触診(または腹部超音波検査)などを行い、全身状態や疾病の可能性を確認します。
眼底・眼圧検査
眼底検査は、眼底カメラを用いて眼球の奥にある血管・網膜・視神経を調べる検査です。血管の観察により、高血圧や動脈硬化の程度、糖尿病性の変化などが推定できます。視神経の観察では、緑内障や脳の病気(脳圧亢進など)を推定できます。また、網膜色素変性症や黄斑変性症などの眼の病気の診断にも使われます。眼圧検査は、眼球に空気を吹きつけてその反射から眼球の圧力(眼圧)を測定します。緑内障の診断に有効です。
腹部エコー(超音波)検査
腹部に超音波を発するプローブという器具を当て、その反射波(エコー)を画像化する検査です。脂肪肝、胆のうポリープ、胆のう結石、腎結石などの疾病を発見・診断できます。のう胞や血管腫などの良性所見も併せて検出できます。
胃カメラ(経鼻内視鏡)検査
鼻(経口も可能)から内視鏡(胃カメラ)を入れ、食道、胃、十二指腸を直接観察する検査です。病変が見つかった場合、その一部を採取し病理組織検査を行うこともあります。食道がん、胃がん、逆流性食道炎、胃・十二指腸の潰瘍や炎症所見、ヘリコバクター・ピロリ菌感染の可能性などを確認できます。
便潜血検査(検便)
便に消化管から出た血液が含まれていないかを調べる検査です。目に見えない出血も科学的に検出します。とくに大腸がんの早期発見に有効です。